無料漫画 一休伝
テレビアニメでお馴染みの一休さんの話です。
テレビアニメでは子供の頃の一休さんが三代将軍足利義満や桔梗屋さんをトンチで遣り込める姿が痛快だったことをよく覚えています。
子供の頃は少年が大人をトンチでやり込めていくことが楽しく、時代背景や一休さんの生まれなどを考えたことはなかったのですが、この一休伝では痛快な一休さんというよりも南北朝時代に南朝出身の母と北朝の天皇の父を持つ一休さんの苦しみ、その苦しみから脱却するためにも仏法にすがる姿がよく描かれていると考えています。
母から出家するように言い渡されて、修行にいった自社は腐敗しており、厳禁である酒色に耽る和尚様の姿、男色に耽る同僚や先輩僧侶の姿を見た一休さんの苦悶が描かれています。
時代背景を考えると鎌倉幕府の末期、後醍醐天皇時代だったと思いますが、不変であるはずの朝廷が京都と奈良に分かれ、鎌倉幕府に変わる覇権を求めた武士団が争っていた不安定な時代背景ということを考え、複雑な出生に翻弄された一休さんは仏法の悟りに救いを求めた姿が描かれています。
実際の姿は破壊坊主として有名でもある一休禅師をよく書きすぎている部分もある為、時代背景を考え、その中でたくましく生きる僧侶の姿として読んだ方が面白いかもしれないですね。
無料漫画で無作為に上がってくることがないとなかなか読む機会に恵まれないので、こうしたところも無料漫画のいい所ですね。